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Fig.7. The correlation of total body and legs BMD to test 1,3 and 5.

た時間と等尺性脚筋力との間には有意な関係はみられなかった。座位からの立ち上がり時間が等速性脚筋力とは有意な負の相関を有することから10)、この結果は等尺性筋力が必ずしも動作場面には結び付かないということを示したものと考える。
最後に社会的背景から特に中高年女性の健康の指標とされるようになった骨密度と座位からの立ち上がりに要した時間との関係をみたところ、1回および3回連続、5回連続のいずれも測定されたBMC,BMDと有意な関係はみられなかった。このことはhealth−related fitness testとしての体力測定項目として考案された座位からの立ち上がり運動が下肢筋群の機能低下を知るためのものであるのに対し、骨密度が骨量の増減を決定する骨組織に内在する細胞群の働きを示していることに因るものと考えられる。

まとめ

骨密度と形態、等尺性脚筋力およびhealth−related physical fitness testとしての連続立ち上がり運動との関係について中高年女性を対象に検討した結果、以下の知見を得た。
1. Total body BMDと年齢の間には5%水準で有意な負の相関関係が得られ、加齢にともなう骨吸収の増加が示唆された。
2. Leg BMCと体重との間に5%水準で、身長との間に1%水準でそれぞれ有意な差がみられたが、BMDとの間には相関がみられず、骨の大きさの変化と密度の変化は異なることが示唆された。

 

 

 

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